病気でもないのに、朝起きるのがつらい、頭が痛い、体がだるい―。そう、酒好きの天敵、二日酔いです。何度も二日酔いを経験した挙句、ようやく「平日禁酒」を決意するまでの過程をつづります。
つらい二日酔い生活
昨晩はあんなに楽しかったのに、朝はなぜこんなにつらいのか。その代償はあまりに大きい。そう昨日も飲み過ぎです。
適度に飲めばいいのかもしれませんが、ついついもう一杯となってしまうのがお酒の怖さ。もっとたちが悪いのは、朝と夜の気持ちの差です。二日酔いの朝はもう酒は飲まない、飲み過ぎない、と固く決心するのですが、夜になると朝の誓いはどこへやら。これがアルコール依存症というのでしょうか。
たま~に二日酔いになる、という程度であれば、そこまで気にしなくてもよいかもしれませんが、毎日のように、となると、さすがに仕事や生活に支障が出てきます。
何を隠そう私もそういうタイプの一人でした。朝はだるいし眠くて、なかなかエンジンがかからない。まともに働けるようになるのは、昼過ぎてから、という日々を過ごしていました。
こんな生活、どこかで変えなければ。それこそ何度思ったことでしょう。しかし夜になると誘惑にあっさり負けてしまい、またつらい朝を迎える。
けれでも、今度こその思いで禁酒を決意しようと思いました。とは言え、さすがにお酒の楽しみを一切絶つのはつらい。そこで私は選んだのは「平日禁酒」です。週末は飲んでもOK、としました。
500㍉6本は当たり前
さて、私は根っからのビール党です。お付き合いで焼酎やハイボールなどを飲むこともありますが、好きに選べるなら必ずビール。何本でもいけます。学生時代に瓶ビール1ダース近く飲んだこともありました。
20代のころは、いくら飲んでも3~4時間寝れば、仕事もしっかりできていたのですが、30歳を過ぎて少しずつ、朝にお酒が残るようになってきました。
40歳を過ぎた今では、さすがに翌朝のことを考えるようになりましたが、自宅で晩酌していると、ついつい500㍉で6本ということもざらにあります。
さすがに昼から飲むことはありませんが、朝起きるのがつらく、午前中はこっそり仕事をさぼって、車の中で寝ているということもありました。
お酒で夜の記憶をなくしたときも何度かありました。幸い事故やトラブルはなかったようですが、思い出しただけでぞっとする経験です。
そんな私が、禁酒を決心したのは、副業をするために朝活を始めたことがきっかけです。
朝は苦手で、副業を夜にしようとしていました。でも夜は、脳も体も疲れ切っていて、はかどらなかったり、さぼったり。仕事で飲み会の誘いがあってそもそも取り組めなかったりして、なかなか思うように進みませんでした。
副業を進めるにはどうすればいいか。結局、自由に使える時間は朝しかない。そのためには早起きが必要。早起きするにはどうすればいいか、真剣に考えた結果、お酒を断つことでした。
禁酒のメリット
禁酒を決断したのは、副業を始めるためだけではありません。飲み過ぎてつらい朝を迎える生活に終止符を打ちたい。そんな願望は以前からありました。副業の開始が、いいきっかけになるのではないかと思ったのです。
禁酒には様々なメリットがあることも、当然知っていました。身体的に健康的になること、精神面での安定、老化防止、美肌効果、ダイエット、睡眠の質の向上などです。
さらに金銭的に節約できるのも大きいです。いつも飲んでいたビール500㍉は1本200円程度。何せ毎日何本も飲んでいましたし、その上、おつまみ代まで上乗せされます。毎月の酒代は計算するのも恐ろしいぐらいでした。
こうしたメリットがあるのは、禁酒する上で非常に魅力的ではありました。それでも中々踏ん切りがつきません。禁酒を思い立ってから実行に移せたのは約1か月後のことでした。
酒をやめる種類もいろいろ
さて、その1カ月間に何もしなかった訳ではありません。禁酒についてネットでいろいろと調査していました。すると、お酒をやめるのにも「禁酒」「節酒」「断酒」「減酒」「平日禁酒」などいろんな言葉があることが分かりました。厳密な定義がある訳ではなく、各サイトによって使われ方はまちまちですが、おおむねこういう感じという定義を簡単に紹介します。
禁酒
一定期間お酒を飲まないこと。数日~数年など期間はさまざま。健康診断で数値が引っかかったり、ダイエットや健康増進、飲み会で失敗した人などが一時的に取り組むケースが多い。断酒と同じ意味で使われることもある。
節酒
お酒は飲むが、飲む量を減らすこと。節度ある飲み方に見直すこと。例えば毎日ビール3本飲んでいた人が1本に減らすなど、減らし方は人それぞれ。厚生労働省のガイドラインでは1日のアルコール摂取量は1日20グラム(ビール換算で500㍉1本)となっており、これを一つの目安にしている人もいる。
断酒
生涯お酒を飲まないこと。すべてのアルコールを絶つこと。アルコール依存症の治療法にもなっており、断酒会などを開いている全日本断酒連盟なども存在する。禁酒と同意味で使われることもあるが、ここでは禁酒=一定期間、断酒=一生涯と規定したい。
減酒
お酒を飲む量を減らすこと。節酒と意味は同じだが、アルコール依存症の治療の中で使われることが多い言葉のようです。断酒はハードルが高すぎて、治療を受けようとしない人、あるいは断酒の前段階として使われる手法。
平日禁酒
平日はお酒を飲まず、週末だけは飲酒を解禁するというやり方です。節酒は一日のお酒の
の量を減らすのに対し、平日禁酒は飲む日数を減らす。ただ、平日の反動で週末に飲み過ぎないことが注意点。
「平日禁酒」を決意
こうしたお酒を断つ「種類」がある中で、私が選択したのは「平日禁酒」でした。理由は簡単。一番できる可能性が高そうだ、ということです。
一生お酒を飲まない「断酒」は絶対に無理だし、一定期間やめる「禁酒」も、期間によるのでしょうが、かなり難しそう。飲む量を減らす「節酒」は、1本だけと決めて飲み始めてついつい何本も飲んでしまったという経験は何度もあり断念。もっとも現実的だったのは「平日禁酒」でした。
確かに、先ほど挙げたお酒を断つメリットは薄れるかもしれません。ですが、まずは「平日禁酒」を実行して、慣れてきたら次のステップに進むという考え方もありだろうと思いました。
それに完全にお酒を飲まないで生きていくとまでは考えていません。仕事上の付き合いもあるし、自分の楽しみとして友人やパートナーと飲むという選択肢すべてを排除するつもりは、ありませんでした。
ただ、今の飲み方をしていると体を壊すのは時間の問題ですし、副業も何もできない。とにかく一歩でも改善したい。そんな思いで「平日禁酒」を誓いました。
ハードルを下げて、ようやくスタート
まずは、ハードルを思いっきり低く設定し、週末(金、土、日)の3日間以外は飲まないことにしました。週3は飲めるじゃん!と思った方もいるでしょう。でも毎日飲酒していた私にとっては、それでもきつい目標です。飲める日が半分以下に減るのですから。
ただ、週末に飲めると考えると平日はなんとか我慢できるかも、という気がしました。慣れてきたら週2とか1に減らせばいい。とにかく少しでも飲酒生活を改善する一歩を踏み出したい。できることからでいい。そう自分に言い聞かせました。
そして、ある週末、これが最後と、しこたまビールを飲み(翌週末には飲めるのですが)、週明けの月曜日、ついに「平日禁酒」を始めることにしました。
続きは随時、体験記としてご紹介いたします。